Snach a pan of bread and run to the Tuolumne. How blessed it would be to be banished to the Canyon!(略)The Canyon has something grand and good for everybody. – John Muir「Muirの日記より」
Hetchy Hetchy渓谷とTuolumne Meadowsの間は、Grand Canyon of the Tuolumne Riverと呼ばれ、最大高度差5,000ftにも達する大渓谷が20マイルにわたって続いています。ヨセミテ国立公園には数多くの渓谷がありますが、ここだけが”Grand Canyon”という名を冠しています。この谷の探査を初めて行ったのはCalifornia Geological SurveyのClarence Kingです。Whitneyの「The Yosemite Book」に拠れば、Kingはこの大渓谷をTuolumne Meadowsから下っていきましたが、途中狭隘な谷に阻まれ、其処から先Hetch Hetchyまでは未探査のままとなってしまいました。その後、Kingが敗退した谷は、ヨセミテガーディアンのGalen ClarkとともにMuirが初遡行し、後にMuir Gorgeと命名されます。Muirは1870年代初期に、幾度かに分けてTuolumneの探査を行い、Hetch HetchyからMt. Lyellに到るTuolumneの全区間を歩いた最初の人となります。
Muirがその完成を望んだとされる大渓谷内のトレイルは、1925年に完成しました。この全トレイルを歩くための最短ルートは、White Wolf(西側)とTuolumne Meadows(東側)を結ぶもので、全長30マイルほどあります。ルートのほぼ中央にはMuir Gorgeがあり、そこからGlen Aulinまでの間が渓谷の核心部といえるでしょう。深いV字状の谷底には、巨大なボルダー、プール、原生林が次々と出現し、飽きることがありません。Tuolumneの三大瀑布(下流からWaterwheel、LeConte、そしてCalifornia Falls)はヨセミテ渓谷の垂直に落ちる滝とは異なり、斜めに流れ落ちていくTuolumneの水のエネルギーを、まさに水際で堪能する事ができます。滝が巻き起こす水煙は光を浴び、虹がいたるところに現れます。California FallsとGlen Aulinの間は、谷が突然U字状となり、長さ1マイル、幅1/4マイルほどの平らな谷底が広がります。初夏には、アスペンの白い幹と緑の葉、取り囲む灰色の岩壁と青い空のコントラスト、そしてそれらを映す水でたいへん綺麗なところです。谷の東端にはGlen Aulin High Sierra キャンプ場があり、夏にはBackpackerやTuolumne Meadowsからのハイカーでにぎわいます。その上流側にはWhite Cascade及びTuolumneの2滝があり、ここでもまたTuolumneの水が轟音を立てて流れ落ちています。初夏、水が溢れるTuolumne大渓谷への探訪は忘れられない思い出になる事でしょう。
写真上(1):California FallsとWildcat Point。
写真2:Tuolumne Fallsのすぐ上、緩い斜面を水が轟音をたてながら流れていく。
写真3:Tuolumne Falls
写真4:Glen Aulinの谷を望む(谷の北側のみ撮影)
写真5:Waterwheel Falls(滝を楽しむベストスポットは滝の下)
写真6:Tuolumne大渓谷(Glen AulinそばのWildcat Pointより下流方面を見る)
ここは私の未踏エリアなんです。としさんぜひ一度ご一緒させていただければと思います。