外国人観光客は米国の国立公園訪問に追加で100ドルを支払うことになる

BBC記事 https://www.bbc.com/news/articles/c1kpnxvpgy2o

 グランドキャニオンやヨセミテといった人気のある米国の国立公園を訪れる外国人観光客に対し、トランプ政権は追加料金の支払いを義務付ける方針である。米国の国立公園を管轄する内務省の発表によれば、海外からの訪問者は、最も人気のある11のサイトにアクセスするために、既存の入園料に上乗せする形で一人当たり100ドル(約76ポンド)を支払う必要が生じるという。さらに2026年以降、非居住者が年間パスを購入する場合、その価格は250ドル以上に引き上げられることになるが、一方で米国市民および永住権保持者については、現行の80ドルが維持される見通しだ。

 この料金値上げについて同省は、「アメリカの家族を第一に(put American families first)」据えることを目的とし、米国市民にとって公園をより身近で利用しやすいものにするというドナルド・トランプ大統領の目標を反映したものであると説明している。ダグ・バーガム内務長官は、「これらの政策は、すでに国立公園制度を支えている米国の納税者が手頃な価格でのアクセスを享受し続けることを保証するものである」と述べ、同時に「海外からの訪問者には、将来の世代のために公園を維持し改善していくための『公正な分担』として貢献してもらう」との見解を示した。この増額措置は2026年の初頭から施行され、あわせてオンライン予約システムの刷新や、公園全体におけるオートバイ利用者のアクセス改善も実施される予定である。

 また、発表の中で同省は、2026年に居住者限定の「愛国的無料入園日(patriotic fee-free days)」を8日間設けることにも言及しており、これにはメモリアル・デー、独立記念日、ベテランズ・デーなどが含まれる。今回の料金値上げは、トランプ氏が7月に署名した大統領令に続く措置であり、海外からの訪問者の入園料を引き上げることで、自然保護や維持管理の資金を調達するとホワイトハウスは説明していた。しかしながら、トランプ政権がその一方で国立公園局の予算を大幅に削減する計画を立てていたという事実は、公園管理のあり方を考える上で看過できない文脈であろう。米国の国立公園は近年、記録的な数の観光客を迎えており、2024年の訪問者数は3億3100万人を超え、前年比で少なくとも600万人の増加を見せている。国内で最も訪問者の多い公園には、フロリダ州のエバーグレーズ、カリフォルニア州のヨセミテ、コロラド州のロッキーマウンテンなどが挙げられる。

Hitoshi について

西村仁志です。環境共育事務所カラーズ&広島修道大学。

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