Yosemiteウイルダネスに入るための許可証は、公園内にあるいくつかのオフィスで発行してくれます。コンピュータ内に名前、住所などが登録されるので、2度目以降は、名前・TH・日数・人数を言うだけで、すぐ作成・プリントしてくれます。そのとき食料の保管方法(熊対策)などルールについて突然質問される(ことがある)ので、事前に調べておきましょう[*]。写真はBig Oak Flat EntranceのWilderness Permit Station。
投稿者アーカイブ: toshi
Climber Falls from Half Dome
Half Domeの垂直面を登っていたロッククライマーが転落死したそうです。
今回はロッククライマーでしたが、みなさんもくれぐれもお気をつけて。
(私はこの土曜日(17日)に登りに行く予定です)
The Range of Light
“Then it seemed to me the Sierra should be called, not the Nevada or Snowy Range, but the Range of Light.” John Muir
「Sierra Nevada」[英訳:The Snowy (Mountain) Range]という単語は、1776年、サンフランシスコ湾付近から、その山々を遠望したスペインの伝道師Pedro Fontによって、初めて地図に記されました。1890年、MuirはCentury誌に投稿した記事「The Treasures of The Yosemite」(8月号)の中で、自分にとっては「Sierra Navada」は「Snowy Range」ではなく「The Range of Light」と呼ぶべきだと書きました:Then it seemed to me the Sierra should be called, not the Nevada or Snowy Range, but the Range of Light[1]。 「The Range of Light」がMuirによる造語なのかどうかは定かではありませんが、このフレーズは、その後のMuirの著書「The Mountains of California」(1894年)、および「The Yosemite」(1912年)でも使われています[2][3]。本人によれば、「The Range of Light」という表現は、初めてヨセミテを訪れた1868年に、San Joseの南東Pacheco Pass(CA152号上)からSierra Nevadaを望んだときに思いついたと説明しています[註]。また1911年に出版された「My First Summer in the Sierra」[4]では、「The Range of Light」を使い、結びとしています:Here ends my forever memorable first High Sierra excursion. I have crossed the Range of Light, surely the brightest and best of all the Load has built; and rejoicing in its glory, I gladly, gratefully, hopefully pray I may see it again. 「The Range of Light」はもはや「Sierra Nevada」の代名詞です。ハイシエラで時を過ごすことにより、誰もが「The Range of Light」の表現のもつ奥深さを感じ取れることでしょう。
Smoky Jack Dome
正式な名称ではなく、Smoky Jack (Campground) 近くのDomeと言った方が正確か。
Tioga Road(120号)沿い、T6:Smoky JackとT7:Red Fir Forestの間の道路北側にある花崗岩ドーム。
Valley側から来ると、最初に現れる岩の風景なので、
この道路を通った事があればなんとなくイメージできるのではないでしょうか。
オフィシャルな駐車スペースやトレイルはありませんが、
ピークまでは簡単に登ることが出来ます。数百メートルです。
しかし、登っても何があるわけでもなく、眺めが良いわけでもありません。
ドーム歩きの練習ぐらいでしょうか。
そういう目的であれば、Olmsted裏のdomeの方がよりベータ−なので、
登っている人を見た事はありません。物好きな人はどうぞ。
Blaze
Wilderness Use Permit
バックパッキングなどでWildernessにキャンプをする場合、Wilderness Use PermitやVisitor’s Permit等と呼ばれる許可証の携行が義務づけられています。ヨセミテの場合、許可証は、公園内のWilderness Permit Stationで予約(60%)もしくは当日申請(40%)によって所得できます。許可証さえあれば、どこに行ってもよいというわけではなく、入出日、入るトレイルヘッド(TH)、出るTH、メンバー数などが厳しく制限されています。特にヨセミテの場合、各トレイルから一日に入れる人数が制限されており(Quota制度)、人気コースのTHは、予約分がすぐ、なくなってしまうことがあります。許可証にはグループの最大人数、水場からキャンプ地までの距離、Valley, Tuolumne Meadowsなどの混雑したところからの最低距離、焚き火は既にかまどのできているところでのみする、などのWildernessで守らなければならないルールが記載されています(続きに原文を抽出)。許可証(2003年版[註])下部には太文字で、「規則違反者は召喚・罰金の対象となる」と書かれており、その下には「上記の法やルールを守り、メンバーもそれに従わせることを約束します」と続き、その下に同意のサインをすることになります。
Yosemite Wilderness利用の手続き、予約状況に関しては、ヨセミテ国立公園WebのYosemite Wildernessページに書いてあります。また許可証は年度によって形式が異なっています。
[註]2005年版Permitの内容も、まったく同じです (2005-Sep-18)。
Online History Books
NPSのHistory Webサイトからは、NPS関連のかなりの書籍がDownloadできます。特にヨセミテに関連したものはこちらにあります。
また、Dan Anderson氏のOnline Historical Yosemite Books サイトも必見です。氏には、Yosemite.jpからのリンクを快諾していただきました。
Mono Pass & Bloody Canyon
「The trail comes down three thousand feet in less than four miles, over rocks and loose stones, in narrow canyons and along by precipices. It was a bold man who first took a horse up there. The horses were so cut by sharp rocks that they named it “Bloody Canyon,” and it has held the name?and it is appropriate?part of the way the rocks in the trail are literally sprinkled with blood from the animals.」 William H. Brewer, July 7th 1863
Tioga Passの公園入り口から南に1.5マイルほど行ったところに、Mono PassへのTHがあります。ここから高度差1,000ft.強、長さ4マイルほどのトレイルを進むと、峠(Mono Pass: 標高約10,600ft.)に達します。昔、インディアンたちはこの峠を使い、シエラ越えをしていました。すぐ南にあるMt. Lewisの方に登ると、Bloody CanyonとMono Lakeがよく見えます(写真)。California Geological SurveyのBrewerは、まさに名前のとおり、馬などが足を傷つけ、流れ出た血が、岩についていたと書いています。
NPSインタープリテーション
NPSのウエブサイトに行くと、4つのトピックがあります。そのうちの一つ「Interpretation & Education」には、NPSが重視しているInterpretation(インタープリテーション)という活動の説明があり、それは訪問者が公園(place)での思い出などを作る手助けの過程であり:”In the National Park Service, Interpretation is the process of helping each park visitor to find an opportunity to personally connect with a place.”、その目的は、訪問者の楽しみや公園の理解をさらに高め、公園に関心を持つようにする:”The goal of all interpretive services is to increase each visitor’s enjoyment and understanding of the parks, and to allow visitors to care about the parks on their own terms.”といったことが書かれています。インタープリテーションの詳しい講義は専門の西村さんに譲り、ここではNPSの職員がどのようにしてその技術を身につけるのかを調べてみました。1995年から開発されたIDPと呼ばれるシステムがあり、3段階のレベルに分かれた教材が作成されています。一般のレンジャー(Law Enforcementも含む)には、初期レベルの技能習得が勧められており、それには3つの教材(101,102,103)があります。101はNPSでのインタープリテーションの基礎概念、102は略式での訪問者へのコンタクト、103は効率的な話し方となっています(全ての教材はダウンロードが可能)。またパークガイド(GS-0090)、アシスタント(GS-0303)、研修生、ボランティアにも習得が推薦されています。教材を読んでみると、単なる知識だけではなく、それをうまく訪問者に伝えるための、高度な対話技術が要求されているようです。
DVD: The Greatest Good
“…where conflicting interests must be reconciled, the question will always be decided from the standpoint of the greatest good of the greatest number in the long run.” Gifford Pinchot, Chief Forester, 1905
今年設立100年を迎えたUSDA Forest Service(FS)が作成した、3枚組のドキュメンタリーDVDセット(120分の本編ディスク+2枚のボーナスディスク付き)。1800年代半ば、開拓と共にアメリカから森林が失われていくときから始まり、1905年、Gifford Pinchotを初代長官とするForest Serviceが設立されるまでの経緯、その後100年にわたる、さまざまな森林管理に関する問題:森林火災、車の普及に伴うレクリエーションの増加、伐採、Wilderness Actに始まる自然保護、そしてエコシステムの理解が進むことにより変わりつつある管理方針など、を時代を追ってわかりやすくまとめている。勿論Hetch Hetchy問題に絡むMuirとPinchotの確執、National Park Service(NPS)とFSのライバル関係などにも触れられている。自画自賛に陥ることなく、批判も含めて冷静に歴史を書いた作品となっている。リージョンコードなし、英文サブタイトル付き。