ヨセミテ公園のクマが「自然食」に回帰、安全対策の強化で

[ロサンゼルス 4日 ロイター]
-米カリフォルニア州のヨセミテ国立公園に生息する野生のアメリカグマは、同園が過去15年にわたって進めてきた安全対策強化により、結果的に健康的な食生活に戻ったという。人間が持ち込む食べ物をあされなくなったことが主な要因。
人気観光地であるヨセミテ国立公園には、推定350─400頭のアメリカグマが生息している。同公園の広報担当者によると、同園では過去、食べ物をあさるクマが園内に駐車した車を壊すなどの行動が多発し、人とクマの遭遇はピークとなった1998年に年間1584件に達した。
公園当局は翌1999年、キャンプ場内の食品貯蔵施設にクマよけを施したり、食べ物を置き去りにする来園者を取り締まるなど対策を強化。こうした措置が奏功し、学術誌「Fonties in Ecology and theEnvionment(原題)」の今月号に掲載された調査論文によると、クマが口にする食べ物のうち人間の食料が占める比率は63%低下した。
ヨセミテ国立公園には現在年間400万人が訪れるが、同論文は、クマが口にする人間の食料の量は、来園者数が数千人に過ぎなかった1915年のレベルに戻ったとしている。
同園での人とクマの遭遇件数も、2012年には155件まで減ったという。

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西村仁志です。環境共育事務所カラーズ&広島修道大学。

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