『Vertical Frontier』 KQED(Channel 9) 1月7日 午後1時。
ヨセミテクライミングの歴史に関する番組のようです
ウエブサイト: ビデオあり
Vertical Frontier – If you’re not up for watching the latest football championship, tune into KQED (Channel 9) on Sunday, January 7 at 1 pm or on Thursday, January 11 at 11 pm and watch the broadcast version (54 minutes instead of 90 minutes) of Vertical Frontier. Tom Brokaw narrates this award winning documentary about the history of climbing in Yosemite. Kristi Denton Cohen, of Peloton Productions, produced this feature documentary, narrated by Tom Brokaw. The film won “Best Film on Climbing” at the Banff Mountain Film Festival in 2002 and at the Kendall Mountain Film Festival in 2003. (S. Clark – 1/4/07)
カテゴリーアーカイブ: 図書・ビデオ
The Last Season
The Last Season、Eric Blehm著、HarperCollins Publisher(2006)
On good days they were “heroes” called upon to find a lost backpacker, warm a hypothermic hiker, chase away a bear, or save a life. On bad days they picked up trash, tore down illegal campfires, wrote citations, and were called “f#@*^* a**&^%$#” simply for doing their job. On the worst days they recovered bodies – Eric Blehm
1996年7月20日11時30分、セコイア・キングス国立公園のベテランバックカントリーレンジャーのRandy Morgenson(当時54歳)は、JMT上のMather Passから無線管制室に定期の連絡を入れました。その後Morgensonからの定期交信は途絶えてしまい、24日にはBench LakeにあるMorgensonのレンジャーステーションをベースにSearch and Rescue(SAR)が開始されます。一時は3台のヘリコプターも含み50人以上が動員されましたが、消息はつかめず、SARは三週間後に打ち切りとなりました。5年後の2001年7月14日、電源スイッチが入ったままの無線機、靴、そして遺体の一部が発見されます。これは事故だったのか、それとも自殺だったのか…。本の1/3はSARの話、残りはMorgensonの28年にわたるNPSのレンジャーとしての活躍の記録でもあり、この二つのストーリーが折り合わされて書かれています。Morgensonの両親はヨセミテ渓谷で働き、本人もヨセミテで育ちました。短い間ですがヨセミテでのレンジャーも勤め、妻とTuolumne Meadowsで冬のパトロールをしていました。進路決定に当たっては、Ansel Adamsと話をしています。Backpacker誌5月号と来月号で、本の紹介記事(主に”missing”章のダイジェスト)が組まれています。Jon Krakauerの「Into the Wild」のようなベストセラーになるでしょうか?
東良三の著書
toshiさんによって、東良三とミューアについての情報収集がされていますが、本日D大学の蔵書から東の著書を借りてきました。いずれも昭和20年代前半の出版物で、紙質、印刷の質も良くないですが、興味深いものです。
「アメリカ国立公園考」、「四十八州アメリカ風土誌」、「アメリカ大陸の探検時代(上・下)」の4冊です。
「四十八州アメリカ風土誌」「アメリカ大陸の探検時代(上・下)」ではミューアについての記述は見つかりませんでした。
「アメリカ国立公園考」にはミューアについての記述がたくさん出てきました。とりあえず列挙しておきます。詳しくはtoshiさんが本書入手のあと、書いてくださるのではと思います。
「アメリカ開拓史と国立公園」p.39- ジョン・ミューアの功績についての記述
「野外教室としての国立公園」p.49- 自然案内人としてのジョン・ミューア
「国家記念物の話」p.113- 「ミューア・ウッズ」命名にまつわる経緯の話
「マウント・レーニア」p.143- レーニア山「キャンプ・ミューア」命名の由来
「ヨセミテ」p.165- ミューアのヨセミテ渓谷氷河形成説、マリポサ巨木について、ミューアとルーズベルト大統領
「キングス・キャニョン」p.188 老樹林の救主ジョン・ミューア、国立公園編入(拡大)キャンペーン、ミューア・トレイル
「セコイア」p.197
「グランド・チートン」p.250 エノス・ミルスとジョン・ミューアの偶然の出会い
『光の峰』 The Range of Light
日本登山の黎明期に活躍した「小島鳥水」は、その投稿「高山の雪」(明治44年7月)のなかで以下のように書いています。
『また北米で有名な、シエラ・ネヴァダ山Sierra Nevadaのシエラは鋸歯ということだが、ネヴァダは万年雪(Neve)と語源を同じゅうした「雪の峰」ということである、米人ジョン・ミューア John Muirは、かつてヨセミテ谿谷 Yosemite Valleyの記を草して、このシエラ山は全く光より成れる観があると言って、シエラをば 「雪の峰と呼んではいけない、光の峰と名づけた方がいい」 と言ったが、雪のある峰であればこそ、光るので、我が富士山が光る山であるのは、雪の山であるためではあるまいか。』
以上は、岩波文庫(緑135−1)の「山岳紀行文集:日本アルプス」(小島鳥水著、近藤信行編)の「高山の雪」の章(342ページ)に書かれています。その解説によると、小島は大正4年から、アメリカに移り、横浜正金銀行サンフランシスコ支店のロサンゼルス分店長を勤め、そして大正八年からはサンフランシスコ支店長を務め、その傍らSierra NevadaやCascadeの山々に登ったそうです。
小島が引用したMuirの記述はもちろん、”Then it seemed to me that the Sierra should be called, not the Nevada or Snowy Range, but the Range of Light”の部分です。東京の八木書店のウエブサイトには、小島が東良三に送った書簡の写真が掲示されています。
DVD「世界遺産アメリカ編2」
TBSより、3/29発売予定です。ご購入はこちら
★イエローストーン
ワイオミング州をはじめ三つの州にまたがるイエローストーン国立公園。熱水現象や滝などの壮大な景観で、1872年に世界初の国立公園として指定された。周囲をオレンジ色に染めるレイボープールのこの鮮やかな色は、熱水中に生きるバクテリアなどの微生物が作り出しており、実に幻想的である。
★ヨセミテ国立公園
シエラ・ネバダ山脈標高4000mに位置する公園の中心にあるヨセミテバレーは、1000mにもなる深い谷が連続する大景観を創り、世界でも有数の高さを誇るエル・キャピタンの崖はロッククライマー憧れの場所である。夏場ともなると多くのクライマーがこの崖に挑戦し、約二日かけて登りきるという。
製作著作・発売:TBS
販売元:株式会社アニプレックス
協 力:SONY
My First Summer in the Sierra 初版本(1911年)
現在Amazonで2(3?)冊売りに出ています。
DAM!
DAM!
Water, Power, Politics, and Preservation in Hetch Hetchy and Yosemite National Park
John Warfield Simpson(2005)
まずは三分の一近くの紙面を費やして、1900年ごろまでのヨセミテの歴史についてまとめた後、Raker法案ができるまでの大論争、そして現在の”Restore Hetch Hetchy”の話と続いていきます。大まかな本の構成は、同年にRighterの書いた”The Battle Over Hetch Hetchy”(2005)とほぼ同じになっています。最終章では、Tuolumne渓谷を含むヨセミテでのバックパッキングやダムの訪問記のエッセイとなっており、”Tear it down! Tear down this damn dam-damnation and restore the Hetchy-Hetchy Valley…”と筆者のスタンスを明らかにし、結んでいます。そのせいなのか、書き方・資料の取り上げ方に中立性が欠けているように思われます(また資料の引用の仕方に若干の不備がみられます)。著者がダム撤去主張をする背景や動機を知る、と言う意味では楽しめますが。公平に両者(ダム建設推進・反対派)の当時の主張や、目指そうとしたものを知ろうとするには、物足りなさが感じられます。
参考リンク:PBSより
Yosemite in Time
Yosemite in Time
Mark Klett, Rebecca Solnit, Byron Wolfe
Trinity University Press(2005)
Eadweard James Muybridge、Carleton E. Watkins、Andel Adamsらが撮ったヨセミテの写真と、同じ場所で撮った現在の写真を並べ比べた写真集です(Rephotographyと呼ぶそうです)。写真の比較に終始することなく、昔の白黒写真をはめ込んだカラーの大パノラマ写真、ヨセミテで拾った小物の写真なども混ぜ、内容にアクセントをつけています。著者らによる三つのエッセイも含まれていて、主役である写真家Muybridgeのことや、Muir、Carr、LeConte、Asa Gray、Agassiz、Whitney、Clark、King、Darwin、Ansel Adams、マリポサ大隊、オバタに関連したことなどが、著者らのヨセミテでの体験と混ぜて書かれています。使われているWatkinsの写真はWhitney隊が測量をしていたころ、Muybridgeの写真はMuirがヨセミテの山々を歩き回っていたころに撮られたものです。Adamsの写真はセンチネルドームのJeffrey Pineを含め、5枚ほど使われています。同じようなRephotographyの本として、Tuolumne Meadowsを題材にした、Valeらの”Time and the Tuolumne Landscape”があります。
関連記事リンク:[1][2]
Yosemite Association Holiday Sale
ビジターセンターに併設されているYAのブックストア12月20日から元旦までセールを行います。(最高50%
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年末に行かれる方は要チェックですね。
第五章 ミューアを調べる資料について
[5] Muirを調べる資料
John Muirの研究資料は、Univ. of the Pacificが作成したJohn Muir Paper(JMP)と呼ばれるマイクロフィルム(リール)が基本となりますが、限られた図書館でしか閲覧できず、我々一般にはアクセスしにくいものです。以下では、比較的購入・閲覧が可能な書籍についてまとめました。[5.1]はMuirもしくは関連する人の手紙、日記、本などをです。[5.2]はMuirに関して書かれた研究・解説書です。一冊でMuirのすべてをカバーする本はありません。[5.3]はMuirの生涯についてまとめた入門書です。これらの本は、資料の引用先がはっきりしておらず、読む際には注意が必要です。[5.4]は、Muir本人がメインではありませんが、有用な解説を含んだ研究書です。意外にも役立つのは、インターネット上で読めるMuir本人の著作です。本、手紙、主要な雑誌投稿記事のかなりのものが閲覧できます。[5.5][5.6]を参考にしてください。
[5.1]Muirの日記、手紙、本、新聞投稿記事
ヨセミテ、シエラネバダに関するMuirの代表的著書といえば、”The Mountains of California”(1894年)、”Our National Parks”(1901年)、”My First Summer in The Sierra”(1911年)、”Yosemite”(1912年)です。これらの本は、他人に読ませるためにかかれたもので、今ひとつMuirの個性が伝わってきません。一方Muirの没後編纂された日記(Wolfe編纂)、手紙(Bade編纂)はMuirの実生活を深く知ることのできる、興味深い資料です。
「South of Yosemite – Selected Writing of John Muir」
Frederic R. Gunsky編集(初版1968,再版 1988年)
Muirの文献を集めた本で、それらにわずかですが解説が加えられています。収められている資料のほとんどは、現在ネット上で読めます。それ以外のいくつかの貴重な収められています(たとえば「God’s First Temple」)。
「John Muir Summering in the Sierra」
Robert Engberg編(1984年)
1874年と1975年の間に、Muirが投稿した新聞記事を集めている。北カリフォルニア、南シエラ方面旅行時のことを知る貴重な資料集。
「John Muir – To Yosemite and Beyond: Writings from the Years 1863 to 1875」
Robert Engberg and Donald Wesling編集(1980年)
タイトルの示すように、1863から1875年の間の、Muirの文献を集めた本です。BadeやWolfe、Overland Monthlyの資料とオーバーラップするものがかなりありますが、それらに無い貴重な資料が入っています(たとえば1868年6月6日、7月11日の日記。「My First Summer in the Sierra」と比べるとその書き方の違いがわかります)。
「Dear Papa」
Shirley Sargent編
Flying Spur Press(1985年)
Muirと娘Wanda、Helenたちとの間でやり取りされた手紙集。
その他:
Muirの著作はほとんどオンラインで読めますが、本の便利さを求めるならば、以下の二冊がお買い得です。
「John Muir; The Eight Wilderness-Discovery Books」
Muirの主要作品8本の合本で、総1000ページ:The Sroty of My Boyhood and Youth, A Thousand Mile Walk to the Gulf, My First Summer in the Sierra, The Mountains of California, Our National Park, The Yosemite, Travels in Alaska, Steep Trails
「John Muir: His Life and Letters and Other Writings」
Badeの編纂したThe Life and Letters of John Muirをはじめ、The Cruse of the Corwin, Studies in the Sierra, Stickeen,The Discovery of Glacier Bay, Essays from Picturesque Californiaなどが収められています。約900ページ。
「Remembered Yesterdays」
Robert Underwood Johnson著(1923年)
出版社:Kessinger Publishing
ヨセミテ国立公園の設立運動や、Hetch Hetchy渓谷のダム化反対運動などに関わった、Century誌の編集者Robert Underwood Johnsonは、1923年に回顧録”Remembered Yesterdays”を出版しました。それには、1889年にSan Franciscoのホテルで初めてMuirに会ったとき、共にYosemiteに出向き、Tuolumne MeadowsのSoda Springsで、国立公園設立の運動をする提案をしたこと、1890年に連邦議会での公園設立運動に関わった政治家たちのこと、その後アメリカに広まった森林保護の流れやHetch Hetchy問題に絡む、Roosevelt大統領やPinchot(Forest Service初代長官)との書簡のやり取り、Roosevelt本人から聞いたMuirとのヨセミテ旅行のことなどが書かれています。600ページとかなり厚い本ですが、上記に関連した部分は50ページ程度しかなく、あまりお買い得感はありませんが、Muirの個性や当時のワシントンの内情がうかがえる、貴重なMuir関連資料。
「Breaking New Ground」
Gifford Pinchot著(1947年)
森林局長官Gifford Pinchotの書いた自伝。Forest Commissionのメンバーとして、Muirと旅行したときのことがわずかだが触れられている。Hetchy-Hetchyに関しては全く書かれていない。
「The Conservation Diaries of Gifford Pinchot」
Gifford Pinchot著(Harold K. Steen編)
出版社:Forest History Society
「Theodore Roosevelt: An Autobiography」
Theodore Roosevelt(1913年著)
ルーズベルト大統領の自伝オンライン版。
[5.2]Muirに関する研究・解説書
「John Muir – Rediscovering America」
Frederick Turner著(1985年)
★★★
Muir像はすでにBadeやWolfeの本によって描かれているので、その二番煎じではなく、当時の時代背景などとあわせ、Muirの新しい解釈をしたと書いています。Wolfe、Badeを読んだ後に読むと、かなり味わえます。最初の一冊としてはあまりお勧めできません。参考資料への解説が詳しく、それを読むだけでも楽しめます。
「The American Conservation Movement: John Muir and His Lagacy」
Stephen Fox著(1981年)
★★★
全400ページ強の本です。そのうち150ページほど(1−4章)が、Muir本人について書かれています(特に、Muirがヨセミテを去って、自然保護運動を徐々に始めて行くところ)。本の後半は、Muir没後の自然保護の流れについて書かれています。すべての引用文にはその出展が書かれています。Steven J. Holemsはこの本について”fo Muir’s influence and legacy within the conservation movement, to Stephen Fox”と書いています(2003年版、Wolfeの本の序文の中で)。面白いことに、MuirとHutchings婦人との関係で、プラトニックを越える何かがあっただろうと書いています(MuirとElvira H.の関係については、いろいろ本で触れられています)。
「The Pathless Way」
Michael P. Cohen(1984年)
★★★
「Kindred & Related Spirits」
Bonnie Johanna Gisel(2001年)
★★★
MuirがJ. Carrに宛てて書いた手紙の多くはBade編の本にほとんど掲載されています。この本は、逆にCarrがMuirに書いた手紙を、Muirの手紙とあわせて掲載したものです。そして各章ごとに、考証がされています。
「The Young John Muir; An Environmental Biography」
Steven J. Holmes著(1999年)
★★★
「John Muir in Historical Perspective」
Sally M. Miller編集
1996年のJohn Muir Conferenceで発表された研究を集めたもの。各発表者が投稿しMillerが編纂。
★★★
「John Muir: Family, Friends, and Adventures」
Sally M. Miller、Daryl Morrison編集
2001年のJohn Muir Conferenceで発表された研究を集めたもの。
★★★
「John Muir’s “Stickeen” and the Lessons of Nature」
Ronald H. Limbaugh
Muirの”Stickeen”、それを書いたアラスカ旅行、及び関連事項についての研究。本のドラフトも付加。
★★★
「John Muir’s Last Journey: SOuth to the Amazon and East to Africa」
Michael P. Branch編
1911年と1912年のMuir最後の南米、アフリカ旅行記の研究解説。
★★★
「John Muir:Life and Lagacy」Pacific Historyan Summer/Fall 1985 Vol 29, Numbers 2&3
Sally M. Miller編
Muirに関する論文集。12タイトル、170ページほど。
★★★
「John Muir: Life and Work」(1990年)
Sally M. Miller編
Muirに関する論文集。13タイトル、300ページほど。
★★★
[5.3] Muir入門書
「John Muir in Yosemite」
Shirley Sargent著(1971年出版)
★★★
Muirがヨセミテに初めて訪れた1868年から、ヨセミテと関ったさまざまな旅行、探検、出会いなどのハイライトを、短いながらもわかりやすく、かなり正確にまとめています。
「Son of The Wilderness: The Life of John Muir」
Linnie Marsh Wolfe(1945年初版、2003年再版)
★★☆
Muirの一生を300ページ強にまとめています。1945年に初版が発行されたこの本は、ピューリッツアー賞を受賞しており、かなり引き込まれるように読んでしまう本です。しかしその反面、Steven J. Holmesによる寄せ書きでも指摘されているように、資料引用の不備、不正確もしくは想像に拠る描写などが所々に見られ、読む際にはかなり注意が必要です。ともあれ、Muirの一生をとりあえず知るという意味では、ポピュラーな一冊。
「John Muir; Apostle of Nature」
Thurman Wilkins著(1995年)
★★
「Son of the Wilderness」(Wolfe)形式のMuir伝記。その後の研究や、資料も参考にして書かれているので、Wolfe本よりは客観的で広範囲な内容。特に探検・地学関連に詳しい。使った資料の説明は最後にあるものの、各引用文のソースが書かれていないのは残念。ところどころWolfeの本を不用意に引用しているのに注意。
「John Muir Nature’s Visionary」
Gretel Ehrlich著(2000年)
★
National Geographicから出版された、Muirの伝記本。貴重なMuirのスケッチや日記の写真が、数々のすばらしい風景写真と共に掲載されています(写真は、Galen Rowellを含めいろいろな写真家のものを使用しています)。文量は意外と少ない。間違いが多いので注意(例えば「Range of Light」の章で、Mr.Delaneyがまったく登場せず、Billyと混同している。,第二キャンプをヨセミテ渓谷と勘違いしているような記述がされている)。コーヒーテーブルブックといった感じの本です。
[5.4] Muirに関する研究・考察がある本
「John Muir and the Sierra Club」
★★★
[4.8]参照
「History of the Sierra Nevada」
Francis P. Farquhar(1965年)
★★★
Sierra Nevada全般の登山、探検の歴史を書いた本です。”John Muir and the Range of Light”という章で、Muirの登山記録が簡単にまとめています。絵がいくつか入って18ページと短いですが、山登りに(1869−1875)関しては、おそらく一番信頼できる文献です。FarquharはSierra Clubの会長でもありました。
「Sunset Limited
The Southern Pacific Railroad and the Development of the American West, 1850-1930」
Richard J. Orsi 著(2005年)
California State University HaywardのRichard Orsi教授著の”Sunset Limited”が先日発刊されました。この本は当時、政治経済に多大な影響力を誇ったSouthern Pacific鉄道会社に関する研究をまとめた本です。資料も含め600ページとかなりボリュームのある本です。特に、ヨセミテがらみで興味を惹かれるのはその最終章”Conservation”です。Orsi氏の研究によると、1890年のヨセミテ国立公園設立の最大の貢献者は、通説になっているJohn MuirやRobert Underwood Johnsonの運動ではなく、並行して独立に行われていたSouthern Pacificと関わりのあったVandever議員やロビィストのZumwaltによる運動にあるとしています。そこには鉄道会社の自然保護(Wilderness Preservation、Conservationではない)への強い関心がありました。最近の専門書はこの説を、おおむね支持しているようです。
“Yosemite, The Embattled Wilderness”
Alfred Runte著
University of Nebraska Press, ISBN 0-8032-3894-0
ヨセミテ国立公園ができてから終わることなく続く、保護と利用に関する論議についてまとめた本。
NPSのWebsiteからダウンロードできます。
“The Battle Over Hetch Hetchy”
Robert W. Righter著(2005年),
Oxford University Press,ISBN 0-19-514947-5
Hetch-Hetchyダム問題に関する専門書です。ダムに没する前のHetch-Hetchy Valleyの話(当然Muirがでてきます)、サンフランシスコの水問題、賛成派と反対派の論争、そして連邦議会での論議、建設の話などが、中立の立場で非常に詳しく書かれています。意外なことに、当時のダム化反対主派(Sierra Club)は、Hetch-Hetchy Valleyにホテルやレストラン等を作り、さらにはTuolumne Meadowsへと続く道路建設(Colby Brief)を考えていたそうです。貴重な数々の写真とともに、1世紀近く前の興味深い環境論争が伺えます。
Wilderness and The American Mind
Roderick Frazier Nash著(初版1967年・4版2001年)
Wildernessを話す上ではバイブル的存在の本。Muirに関しては2章が割かれています。16章構成:Old World Roots of Opinion, A Wilderness Condition, The American Wilderness, Henry David Thoreau: Philosopher, Preseve the Wilderness!, Wilderness Preserved, John Muir: Publicizer, The Wilderness Cult, Hetch Hetchy, Aldo Leopold: Prophet, Decision for Permanence, Toward a Philosophy of Wilderness, Alaska, The Irony of Victory, The International Perspective.
「ZANITA: A Tale of the Yo-semite」
Theresa Yelverton(1872年、1991年再版)
1870年のヨセミテ生活時代のMuirを題材にしたロマンス本。この年、著者のYelverton女史もヨセミテに長期滞在していた。フィクションではあるが、Muirの一面を書いているとされている。オンライン版あり。Yelvertonは、ヨセミテを去るときに遭難騒ぎを起こす。そのときの話はOverland Monthly誌にある。
[5.5]On-Lineで読めるJohn Muirの著作など
現在、Muirの著作の多くは、インターネットで閲覧する事ができます。以下は、閲覧・ダウンロード可能なものを年代順に並べました。
[5.4.1] 本、雑誌・新聞投稿記事(年代順)
Scribner’s monthly、The Century、Harper’s、The Atlantic monthly、The North American reviewはコーネル大のライブラリー、Overland monthlyはミシガン州立大のライブラリーより閲覧できます。
“Yosemite Glaciers,”
New York Tribune, Dec. 5, 1871
“Yosemite in Winter,”
New York Tribune, Jan 1, 1872
“Yosemite Valley in Flood,”
Overland monthly / Volume 8, Issue 4, pp.347-350, Apr. 1872
“Yosemite in Spring,”
New York Tribune, May. 7, 1872
“Twenty Hill Hollow,”
Overland monthly / Volume 9, Issue 1, pp.80-86, Jul. 1872
“Living Glaciers of California,”
Overland monthly / Volume 9, Issue 6, pp.547-549, Dec. 1872
“The Hetch Hetchy Valley,”
Boston Weekly Transcript, Mar. 25, 1873
“A Geologist’s Winter Walk,”
Overland monthly / Volume 10, Issue 4, pp.355-358, Apr. 1873
“Hetch-Hetchy Valley, The Lower Tuolumne Yosemite,”
Overland monthly / Volume 11, Issue 1, pp.42-50, Jul. 1873
“Exploration in the Great Tuolumne Canon,”
Overland monthly / Volume 11, Issue 2, pp.139-147, Aug. 1873
“The Wild Sheep of California,”
Overland monthly / Volume 12, Issue 4, pp.358-363, Apr. 1874
“Studies in the Sierra, No. I,”
Overland monthly / Volume 12, Issue 5, pp.393-403, May 1874
“Studies in the Sierra, No. II,”
Overland monthly / Volume 12, Issue 6, pp.489-500, Jun. 1874
“Studies in the Sierra, No. III,”
Overland monthly / Volume 13, Issue 1, pp.67-79, Jul. 1874
“Studies in the Sierra, No. IV,”
Overland monthly / Volume 13, Issue 2, pp.174-184, Aug. 1874
“By-Ways of Yosemite Travel,”
Overland monthly / Volume 13, Issue 3, pp.267-273, Sep. 1874
“Salmon Breeding,” Daily Evening Bulletin, Oct. 29. 1874
“Studies in the Sierra, No. V,”
Overland monthly / Volume 13, Issue 5, pp.393-402, Nov. 1874
“Studies in the Sierra, No. VI,”
Overland monthly / Volume 13, Issue 6, pp.530-540, Dec. 1874
“Shasta Game,” Daily Evening Bulletin, Dec. 12 1874
“Shasta in Winter,” Daily Evening Bulletin, Dec. 21 1874
“Modoc Memories,” Daily Evening Bulletin, Dec. 28 1874
“Shasta Bees,” Daily Evening Bulletin, Jan. 5 1875
“Studies in the Sierra, No. VII,”
Overland monthly / Volume 14, Issue 1, pp.64-73, Jan. 1875
“Wild Wool,”
Overland monthly / Volume 14, Issue 4, pp.361-366, Apr. 1875
“Flood-Storm in the Sierra,”
Overland monthly / Volume 14, Issue 6, pp.489-496, Jun 1875
“Living Glaciers of California,”
Harper’s / Volume 51, Issue 306, pp. 769-776 , Nov. 1875
“Snow Banners of the California Alps,”
Harper’s / Volume 55, Issue 326, pp. 162-164, Jul. 1877
“Snow-Storm on Mount Shasta,”
Harper’s / Volume 55, Issue 328, pp. 521-530, Sep. 1877
“Notes from Shasta,” Daily Evening Bulletin, Sep. 13 1877
“The Hummingbird of the California Water-falls,”
Scribner’s monthly / Volume 15, Issue 4, pp. 545-554, Feb. 1878
“Studies in the Sierra: A Wind Storm in the Forests of the Yuba,”
Scribner’s monthly / Volume 17, Issue 1, pp. 55-59, Nov. 1878
“The New Sequoia Forests of California,”
Harper’s / Volume 57, Issue 342, pp. 813-828 , Nov. 1878
“Studies in the Sierra: The Douglass Squirrel of California,”
Scribner’s monthly / Volume 17, Issue 2, pp. 260-266, Dec. 1878
“Studies in the Sierra: The Mountain Lakes of California,”
Scribner’s monthly / Volume 17, Issue 3, pp. 411-421, Jan. 1879
“Studies in the Sierra: The Glacier Meadows of the Sierra,”
Scribner’s monthly / Volume 17, Issue 4, pp. 478-483, Feb. 1879
“Studies in the Sierra: The Passes of the Sierra,”
Scribner’s monthly / Volume 17, Issue 5, pp. 644-652, Mar. 1879
“The Wild Sheep of the Sierra,”
Scribner’s monthly / Volume 22, Issue 1, pp. 1-11, May 1880
“In the Heart of the California Alps,”
Scribner’s monthly / Volume 20, Issue 3, pp. 345-353, Jul. 1880
“The Coniferous Forests of the Sierra Nevada,”
Scribner’s monthly / Volume 22, Issue 5, pp. 710-723, Sep. 1881
“The Coniferous Forests of the Sierra Nevada,”
Scribner’s monthly / Volume 22, Issue 6, pp. 921-931, Oct. 1881
“The Bee Pastures of California,”
The Century / Volume 24, Issue 2, pp. 222-230. Jun. 1882
“The Bee Pastures of California,”
The Century / Volume 24, Issue 3, pp. 388-396. Jul. 1882
“Love’s Night-Watch,”
Harper’s / Volume 74, Issue 441, pp. 437-438, Feb. 1887
“Picturesque California” (1888-1890)
“The Belfry Chimes,”
Harper’s new monthly magazine. / Volume 77, Issue 460,pp. 568-569, Sep. 1888
“The Treasures of the Yosemite,”
The Century / Volume 40, Issue 4, pp. 483-500, Aug. 1890
“Features of the Proposed Yosemite National Park,”
The Century / Volume 40, Issue 5, pp. 656-667, Sep. 1890
“A Rival of the Yosemite, King’s River Canon,”
The Century / Volume 43, Issue 1, pp. 77-97, Nov. 1891
“The Mountains of California” (1894)
“A Plan to Save The Forests,”(共著)
The Century / Volume 49, Issue 4, pp. 630-631, Feb. 1895
“Alaska. The Discovery of Glacier Bay,”
The Century / Volume 50, Issue 2, pp. 234-247, Jun. 1895
“The National Parks and Forest Reservations,”
from Proceesings of the Meeting of the Sierra Club, Nov. 23. 1895
“The American Forests,”
The Atlantic monthly. / Volume 80, Issue 478,pp. 145-157, Aug. 1897
“Alaska,”
The Century /Volume 54, Issue 4, pp. 513-526 , Aug. 1897
“The Wild Parks and Forest Reservations of the West,”
The Atlantic monthly. / Volume 81, Issue 483, pp. 15-28, Jan. 1898
“The Yellowstone National Park,”
The Atlantic monthly. / Volume 81, Issue 486, pp. 509-523, Apr. 1898
“Among the Animals of the Yosemite,”
The North American review. / Volume 82, Issue 493, pp. 617-632, Nov. 1898
“Among the Birds of the Yosemite,”
The North American review. / Volume 82, Issue 494, pp. 751-761, Dec. 1898
“The Yosemite National Park,”
The Atlantic monthly. / Volume 84, Issue 502, pp. 145-153, Aug. 1899
“The Forests of Yosemite Park,”
The Atlantic monthly. / Volume 85, Issue 510, pp. 493-507, Apr. 1900
“The Wild Gardens of the Yosemite Park,”
The Atlantic monthly. / Volume 86, Issue 514, pp. 167-179, Aug. 1900
“The Fountains and Streams of the Yosemite National Park,”
The Atlantic monthly. / Volume 87, Issue 522, pp. 556-566, Apr. 1901
“Hunting Big Redwoods,”
The Atlantic monthly. / Volume 88, Issue 527, pp. 304-320, Sept. 1901
“Reminiscences of Joseph LeConte,”
The University of California Magazine, Sep. 1901
“Our National Parks” (1901)
“The Hetch-Hetchy Valley,”
Sierra Club Bulletin Jan. 1908
“Hetch Hetchy Damming Schme,”(page 32,33)
“The Endangered Valley – The Hetch Hetchy Valley in the Yosemite National Park,”(page 38,39,40)
“letter to Chaiman of Public Land Committe,”(page 42)
以上三件は連邦議会公聴会記録より:”San Francisco and the Hetch Hetchy Reservoir: Hearing held before the Committee on the Public Lands of the House Representives,” Dec. 16 1908
“Stickeen: The Story of a Dog”(1909)
“Let everyone help to save the famous Hetch-Hetchy Valley and stop the commercial destruction which threatens our national parks.”
連邦議会資料:ダム建設反対のパンフレット(Nov. 1909)
“Edward Henry Harriman” (1911)
“My First Summer in the Sierra” (1911)
連邦議会図書館ではオリジナルが読める。
“The Yosemite” (1912)
“The Story of My Boyhood and Youth” (1913)
“Edward Taylor Parsons,”
Sierra Club Bulletin, Vol. IX, No. 4, Jan, 1915
“Travels in Alaska” (1915)
“A Thousand-Mile Walk to the Gulf” (1916)
“Steep Trails” (1919)
“The Cruise of the Corwin” (1917) William Frederic Bade`編集
[5.4.2]手紙
“Letters to a Friend; written to Mrs. Ezra S. Carr” (1915)
“The Life and Letters of John Muir” (1924) William Frederic Bade`編集
註:
“Overland monthly and Out West magazine”は”Overland monthly”、”Harper’s new monthly magazine”は”Harper’s”、”Scribner’s monthly, an illustrated magazine for the people”は”Scribner’s”、”The Century Magazine”は”The Century”と省略しました。
[5.6] Muir関連資料のあるWeb Site
University of the Pacific ライブラリー
シエラクラブJohn Muir Exhibit
Dan AndersonのヨセミテWeb