Backpacker誌 2005年12月号

今月号(California Edition)の特集は、”The National Parks Issue”です。National Parkの将来(”The Future of National Parks”)、ヨセミテのDNCで働く人たち(”Yosemite@$7.38 An Hour”)、NPSの管理(”National Parks Inc.”)などに関する面白い記事が満載です。特に”The Future…”ではYosemite NPの公園長(Superintendent)のMike Tollefsonが登場しています。氏の好きな公園はNorth Cascadesだそうです。

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「Do Something!」ヨセミテ取材へ協力

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NTTドコモグループ発行の「ドゥ サムシング!」という冊子の2005年秋号の特集「Do Camp! いろんなキャンプのかたち」のなかでのヨセミテ現地取材をお手伝いしました。7月上旬に行われた現地取材にはこのサイトの執筆者のひとり小林真奈美さんが同行。私にしむらが取材全体のアドバイスを行いました。(私も同行できたら6,7,8月と毎月行けたのになあ)
大判のカメラで撮った満水のヨセミテ滝とマーセド川の写真が表紙に使われ、中にはパインズキャンプ場でのキャンパーやJMTバックパッカーの話などが出てきます。
この冊子は「DoCoMoプレミアクラブ」の「プレミアステージ」(ケータイ代をたっぷり払っている方)会員にのみ送付されるもので、残念ながら一般への市販はありません。

Remembered Yesterdays

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“One conversation that we had beside the campfire at Soda Springs had an important sequel, for it was here that I proposed to Muir that we should set on foot the project of the Yosemite National Park.” Robert Underwood Johnson「Rembered Yesterdays」
ヨセミテ国立公園の設立運動や、Hetch Hetchy渓谷のダム化反対運動などに関わった、Century誌の編集員Robert Underwood Johnsonは、1923年に回顧録”Remembered Yesterdays”を出版しました。それには、1889年にSan Franciscoのホテルで初めてMuirに会ったとき、共にYosemiteに出向き、Tuolumne MeadowsのSoda Springsで、国立公園設立の運動をする提案をしたこと、1890年に連邦議会での公園設立運動に関わった政治家たちのこと、その後アメリカに広まった森林保護の流れやHetch Hetchy問題に絡む、Roosevelt大統領やPinchot(Forest Service初代長官)との書簡のやり取り、Roosevelt本人から聞いたMuirとのヨセミテ旅行のことなどが書かれています。600ページとかなり厚い本ですが、上記に関連した部分は50ページ程度しかなく、あまりお買い得感はありませんが、Muirの個性や当時のワシントンの内情がうかがえ、貴重なヨセミテ・Muir関連資料といえるでしょう。
タイトル:Remembered Yesterdays
著者:Robert Underwood Johnson
出版社:Kessinger Publishing

Time and the Tuolumne Landscape

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Tuolumne MedowsおよびHigh Sierra付近で1900年代初頭に撮られた写真(主にG. K. Gilbertが撮影)と、同じ撮影場所から80〜90年後に撮った写真の二つを並べ、地勢・植生・人為の影響(車道・ダム・建造物)を比べた写真集です。岩山等に変化は見られませんが、積雪量、植生、そしてメドウなどでの川の流れの違いにはかなり驚かされます。過去の写真と合わせるため、すべてモノクロが使われています。各写真の解説も読んでいて興味深いものがあります。
Time and the Tuolumne Landscape: Continuity and Change in the Yosemite High Country
Thomas R. Vale and Geraldine R. Vale著
総200ページ強
出版社: Univ of Utah Press
ISBN: 0874804299

The Range of Light

“Then it seemed to me the Sierra should be called, not the Nevada or Snowy Range, but the Range of Light.” John Muir
Sierra Nevada」[英訳:The Snowy (Mountain) Range]という単語は、1776年、サンフランシスコ湾付近から、その山々を遠望したスペインの伝道師Pedro Fontによって、初めて地図に記されました。1890年、MuirはCentury誌に投稿した記事「The Treasures of The Yosemite」(8月号)の中で、自分にとっては「Sierra Navada」は「Snowy Range」ではなく「The Range of Light」と呼ぶべきだと書きました:Then it seemed to me the Sierra should be called, not the Nevada or Snowy Range, but the Range of Light[1]。 「The Range of Light」がMuirによる造語なのかどうかは定かではありませんが、このフレーズは、その後のMuirの著書「The Mountains of California」(1894年)、および「The Yosemite」(1912年)でも使われています[2][3]。本人によれば、「The Range of Light」という表現は、初めてヨセミテを訪れた1868年に、San Joseの南東Pacheco Pass(CA152号上)からSierra Nevadaを望んだときに思いついたと説明しています[註]。また1911年に出版された「My First Summer in the Sierra」[4]では、「The Range of Light」を使い、結びとしています:Here ends my forever memorable first High Sierra excursion. I have crossed the Range of Light, surely the brightest and best of all the Load has built; and rejoicing in its glory, I gladly, gratefully, hopefully pray I may see it again. 「The Range of Light」はもはや「Sierra Nevada」の代名詞です。ハイシエラで時を過ごすことにより、誰もが「The Range of Light」の表現のもつ奥深さを感じ取れることでしょう。

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DVD: The Greatest Good

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“…where conflicting interests must be reconciled, the question will always be decided from the standpoint of the greatest good of the greatest number in the long run.” Gifford Pinchot, Chief Forester, 1905
今年設立100年を迎えたUSDA Forest Service(FS)が作成した、3枚組のドキュメンタリーDVDセット(120分の本編ディスク+2枚のボーナスディスク付き)。1800年代半ば、開拓と共にアメリカから森林が失われていくときから始まり、1905年、Gifford Pinchotを初代長官とするForest Serviceが設立されるまでの経緯、その後100年にわたる、さまざまな森林管理に関する問題:森林火災、車の普及に伴うレクリエーションの増加、伐採、Wilderness Actに始まる自然保護、そしてエコシステムの理解が進むことにより変わりつつある管理方針など、を時代を追ってわかりやすくまとめている。勿論Hetch Hetchy問題に絡むMuirとPinchotの確執、National Park Service(NPS)とFSのライバル関係などにも触れられている。自画自賛に陥ることなく、批判も含めて冷静に歴史を書いた作品となっている。リージョンコードなし、英文サブタイトル付き。

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Hiking Yosemite NP

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2000年(4月)に出版されたHiking Yosemite National Parkですが、
今年6月出版の2ndエディションで内容がかなりグレードアップしました。
ヨセミテハイキング入門には初版でも十分な参考書になりましたが、
今回の版ではトレイルマップ、TOPOデータ、写真が一層充実しました。
定価は$15.00くらいしますが、なぜかamazon.comで$10.47とお手頃価格で売られています。
オススメの一冊です。

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The Yosemite Book

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1869年に、California Geological Survey(カリフォルニア地質調査隊、Whitney隊)のJosiah Dwight Whitneyにより書かれた「The Yosemite Book」は、当時最も権威のあるヨセミテに関する案内書でした(これは豪華版で、後に写真なしの普及版「The Yosemite Guide Book」が幾度か改定、再販されます)。副題”A Description of the Yosemite Valley and the Adjacent Region of the Sierra Nevada, and of the Big Trees of California”に示されるように、ヨセミテ渓谷とその周辺、そしてマリポサのセコイアについて紹介されています。序章では、ヨセミテ渓谷が州立公園となり、調査隊が測量をするに到った経緯、マリポサ大隊のヨセミテの発見以降の話、インディアンによる地名の呼び方等についてまとめられています。2章でアメリカ全土から始まりカリフォルニア・シエラネバダに到る地勢・植生が述べられたあと、ヨセミテ渓谷(3章)、ハイシエラ(4章)、そしてBig Tree(5章)についてかなり詳しく書かれています。学者の書いた本で、かなり堅苦しいところもありますが、まだ地図の空白部が残る頃のヨセミテを知る貴重な一冊です。250冊しか刷られなかったこの本は、出版時の価格が10ドルという高価本で、現在では1万ドルを軽く越えるオークション価格が付いています。OctavoのCD本(写真)はJim Snyder(ヨセミテ国立公園の史家)のかなり興味深い前書きや、Carleton WatkinsとW. Harrisの写真や地図を含む原本の全ページの超高解像度写真が付いており、古地図・モノクロ写真に興味のある方にとってはお勧めしたいアイテムです。
Whitney隊の関連本として、メンバーのWilliam H. BrewerとClarence Kingが書いた二冊が挙げられます。「Up and Down California in 1860-1864」を書いたBrewerはWhitney隊の初期メンバーで、彼の本は1860年から1864年にわたる調査行の日記集です。ヨセミテに関しては、1863年の6−7月に、HoffmannとともにBig Oak Flatからヨセミテ渓谷に測量に入り、その後Mt. Hoffmann、Mt. Danaなどの登頂やSoda Springsを拠点として行ったTuolumne Medows一帯での調査、そしてBloody Canyonを下りMono Lakeへとぬけた時のことが書かれています。
一方Kingは、その著書「Mountaineering in the Sierra Nevada」の”Around Yosemite Walls”及び”A Sierra Storm”の章で1864年秋のヨセミテにおける体験を書き綴っています。エール大を卒業してから1年ほど経ったClarence KingとJames Gardnerは、1863年8月末にSacramentoでBrewerに合流します。そして翌年彼らは南シエラでの測量(Mt. Brewer、Mt. Tyndallの登山を含む)を終えた後、Gardner、Cotterらを伴いヨセミテ渓谷を訪れます。目的はヨセミテ渓谷がカリフォル二アに譲与された事を受け、その境界の測量を行うためでした。この二章は、Mt. HoffmannやYosemite Creek、ノースリム一帯での登山、ヨセミテの最初の冬の嵐からの脱出について書かれています。この本は、現在ではMuirのRitter登山記とともにシエラ登山記の古典となっています。

Historic Resource Study: Yosemite

20050802.jpg1987年に、Linda Wedel Greeneによってまとめられた1,200ページを越えるこの本は、内務省から発行されたヨセミテに関する百科事典とも言えるでしょう。有史以前のネイティブアメリカンの生活の調査に始まり、ヨセミテの発見、マリポサ大隊による探査、州立公園の設立、国立公園の設立、道路・トレイル網の設備、渓谷の国への返還、公園内の私有地、騎兵隊による管理、NPSの設立、開発・観光化等と、1970年代にいたるまでのありとあらゆる情報がまとめられています。添付されている地図、写真を見るだけでも価値があります。NPSより3本のPDFファイルとしてダウンロードができます。