Cathedral Lakes付近の廃道


Lew & Ginny Glark著のYosemite Trailsと言う本(1976年初版、79、83、87、95年改版)がありますが、その70ページにTenaya Lake、Cathedral Lakes付近の概念図があります。よく見るとTioga RoadからLower Cathedral Lake へのトレイルが書き込まれています。昨日このトレイルらしきものが残存していることを確認しました。
トレイルの使用頻度はかなり低そう(一週間に数パーティーくらい)です。
[注意]この概念図では、Teneya Peakの位置が、かなり北にずれて表記されています。

おおよそのルートをUSGS 24K地図にプロット。

赤矢印の基点からの3Dプロット。

対岸Polly Domeから見たルート。写真下部左から35%付近のところから、右斜め上に向かい、岩壁の間の
短い樹林帯付近を上にぬけ、そこから右端へと向かい帯状の樹林帯をゆっくりと高度を上げて進んでいきます(写真は2012年1月撮影)。
[注意] 特に危険なところはありませんが、ルートが一部判然としないところがあります。
なれない方にお勧め出来ません。それでもと言う方は自己責任でお願いします。

『メインの森を目指してーアパラチアン・トレイル3500キロを歩く』出版ご案内

ジョン・ミューアトレイル、アパラチアントレイル踏破で知られる、作家の加藤則芳さんから、新刊本『メインの森をめざしてーアパラチアントレイル3500キロを歩く』発刊のお知らせをいただきました。

(以下一部引用)
———
いよいよ、新刊本『メインの森をめざしてーアパラチアントレイル3500キロを歩く』が
平凡社より発売になりました!
なんと、あしかけ7年を経ての出版です。
原稿用紙に換算して1000枚。640ページになってしまいました。版元はもちろん、読者もきっ
と腰を引く厚さ。そのぶん申し訳ないほどの値になり、税込で2940円。
3500キロ達成をめざすドキュメンタリーに、アメリカの歴史、文化、文学、政治経済、宗教
など、ぼくなりのアメリカ論を織り込み、さらにぼくの自然観が総覧できる仕組みになっています。
タイトルは、アパラチアントレイル到達点があるメイン州をめざす、という意味だけではなく、
ぼくを、大学生のときにはじめてアメリカの自然へと導いてくれたヘンリー・ディヴィット・ソロ
ーの作品「The Maine Woods」(メインの森)に還る、という想いを表したものです。したがって、
英名は “Heading toThe Maine Woods”。
ぼくの本格的なドキュメンタリー最後の作品ですので、思いも熱く、本も厚いですが、ぜひ手
にとってみてください。
そしてじつは、最後の、と書きましたが、今月28日にもう一冊新刊本が出ます!
『ロングトレイルという冒険ー「「歩く旅」こそぼくの人生』(技術評論社)
自然を歩きたい、自然に浸かりたいと思っている人たちを、これまでのぼくの経験と自然観を
通じていざなうエッセイ集です。
以上の案内文は、ぼくのブログ文をアレンジしました。
http://www.j-trek.jp/kato/
(引用ここまで)

NHK BSハイビジョン 世界の名峰 グレートサミッツ「ヨセミテの大岩壁に挑む」

NHK BSハイビジョン
3月2日(水)午後8:00?9:30
プレミアム8<紀行> 世界の名峰 グレートサミッツ「ヨセミテの大岩壁に挑む」
大スケールの岩壁や滝で知られるヨセミテ、自然保護やロッククライミングの聖地として人気を集める。ヨセミテ渓谷の最高峰ハーフドームにフリークライミングルートで挑む。
「ヨセミテの大岩壁に挑む アメリカ・ハーフドーム」【語り】滑川和男,磯野佑子

Firewall


Outdoor Photographer誌2月号に、Horsetail Fallに関する2ページの記事がありました。著者はPhil Hawkins氏。
『Firewall』の所以である、Glacier Pointから燃えた木を投げ落とすアトラクション(1968年に中止)とRowellによるHorsetail Fallの撮影について触れた後、撮影のためのアドバイスなどが書かれています。見頃は二月中旬、ベストの撮影場所は2箇所:「The picnic area near the east shoulder of El Capitan」 と「the banks of the Merced River near Southside Drive just west of Swinging Bridge」。2月中旬の日の入りは5:30-5:50分のあたりで、その30-45分前に太陽が射しはじめます。混むので早く行って場所をとること。カメラ設定の目安は、70-200mmのレンズとポラライザーを使い、ISO100、絞り2.8、シャッタースピード1/160から1/250。天気は晴れであることが必要とのことです。

http://www.outdoorphotographer.com/locations/north-america/horsetail-fall-in-february.html

SUNSET AFTER A STORM, YOSEMITE VALLEY, CALIFORNIA; 1970

20101120
1970年10月23日、Warren HardingとDean Coldwellは、El CapitanのEarly Morning Light壁の初登をめざし、数週間分もの食料を持ち、岩壁に取り付きました。
11月に入ると秋の嵐がヨセミテを通過し、NPSは11日に彼らの救助を決定します。友人でもありクライミングパートナーでもあるRowellにも、救助に参加を要請する電話がかかり、Jim Bridwellと共にベイエリアからヨセミテへと向かいます。Crane FlatからValleyへと下っていくと、雲間からEl CapitanとHalf Domeが見え出してきました。今までに無いベストなシーンと感じたRowellは、3分ほど立ち止まり、200mm望遠で2枚の写真を撮りました。「Mountain Light」には、その写真を撮るにあたってユニークだと感じた二つの要素を述べています。
“First, the two most striking granite forms of the valley, Half Dome and El Capitan, appeared side by side , although they are actually at opposite ends of the valley. Second, each was lit with splendid, but very different, light. Together, the two factors gave the formations the separate character they have in real life, an effect that doesn’t usually come across in photos. Usually, images show the great rocks lit in similar light as part of a two-dimensional scene, thereby failing to convey the power of the landscape, which I saw coming alive. With El Capitan in red sunset light and Half Dome in blue shadow under a cloud, this image is a kind of visual archetype of the Yosemite experience.”
同じ時に同じ場所を通りかかったなら、まずほとんどの人が車を止めて撮影をすると思いますが、Rowellのようなことをどれだけの人が意識するのかは興味深いところです。 上の写真は、4冊の写真集を並べたものです。左上から時計回りに「Mountain Light」(初版1986年、これは1995年 Sierra Club Books版)、「THE YOSEMITE」(1989年、Sierra Club Books版)、「THE YOSEMITE」(2001年, YA版)、「California THE BEAUTIFUL」(2002年、Welcome Books版)です。面白いことに、年が進むにつれて、どんどん赤色が強くなって(着色されて?)きています。 さてValleyに到着したものの、救助はNPSの先走りだったため、その日に中止になります。Hardingらは順調に登り続け、11月18日に報道陣が並ぶEl Capの頂上にたどり着きました。

LAST LIGHT ON HORSETAIL FALL

20101117
Galen Rowellの、ヨセミテ写真の中で有名なものの一つに、「LAST LIGHT ON HORSETAIL FALL, YOSEMITE’s “NATURAL FIREWALL”, CALIFORNIA; 1973」があります。同氏の写真集”Mountain Light” に撮影時にまつわる裏話が書いてあります。ごく簡単にまとめると:
とある夕方、岩登りの後に友人とドライブ中、いままで見たことも聞いたことも無い現象を見かけ写真を撮ろうとしましたが、光はすでにあせてしまいました。しかし次の日の夕方、レンジャーのRiegelhuth氏(後のチーフレンジャー)を乗せてドライブしているときに、再び滝が光るのを見かけます。
”Excuse me Dick, The Light is wild on Horsetail Fall, and if you do not mind, I’m going to race over there and try to get a picture.”とRowellは話し、制限速度の2倍ほどで運転してスポットに到着、300mmのレンズのついたカメラをもって、チェーンフェンスを乗り越え、撮影場所を探します。赤い水煙の入る構図は完璧でしたが、足りないものがありました。滝を見ていたRiegelhuth氏はフェンスまで近寄ってきて「何か足りないものは?」と尋ねます。”My Tripod. It’s in the backseat.” 氏から三脚が手渡され、光が消えてしまうまでに、数枚の写真を撮ることが出来ました。
Michael Fryeによると、1940年にAnsel Adamsは、午後の光のもとで、滝の白黒写真を撮っていたようです。ですが日没時、オレンジに輝く滝をカラーで撮ったのは、Rowellが最初だと書いています。