久しぶりに研究室に来て、本棚から博士論文を書くときに使ったE・ウェンガー他の「コミュニティ・オブ・プラクティス」を手に取りました。ここに出てくる「ダブルノット(二重編み)」から着想して、日本の自然学校発展において二重編みのソーシャルイノベーションが起きてきたと整理したのでした。
「コミュニティ・オブ・プラクティス」とは
「ある分野における知恵の習得や研さん、あるいは知識を生み出すといった活動のために、持続的な相互交流を行っている人々の集団のこと。」
と言われています。
昨日、一般社団法人日本インタープリテーション協会主催でオンライントークイベントを開催しましたが、一緒に企画運営にあたってきた仲間たちは、まさにこういう集団です。
いちばん長い方は1980年代に出会いましたので、もう30年以上のおつきあいになります。プロジェクトや、研修会、ネットワークミーティング、書籍づくり、また組織運営なども一緒にやってきました。でも思い返せば、当時からずっと遠隔、リモートなんです。
それで、ここへ来てのコロナ禍です。
しかしこの集団は、これで失速するどころか、むしろ活気づいてきました。
当初5月に、山梨県清里に集まる集会を昨年から予定していましたが、2月ごろから「さて、どうする?」となってZoomミーティングと練習、リハーサルを繰り返してオンライン化して開催。期待と予定を大きく超える160名もの規模になりました。つまりオンライン集会開催のノウハウも皆で俄かに学習しました。
それで、実行委員会は終了後解散した(はず)のですが、即、再招集がかかりました。続いてのいくつかのオンラインセミナーや、今回のチャリティオンライントークをやろうという話が、途切れずに出てきたからです。
ウェンガーらは「どんなコミュニティ・オブ・プラクティスに属してきたかの履歴が、その人の知識体系そのものを表す」としています。私の場合は、こうしたつながりの中で仕事や研究を進めてきたのだなと、あらためて思いました。