
(派遣研究時期の塩漬けになっていた録音を、AIの力を借りてまとめてもらっています)
Santa Cruzのダウンタウン、London Nelson Community Centerで「Imagining the Downtown Commons」と題して、PortlandからランドスケープアーキテクトでNPO「The City Repair Project」の設立者でもあるMark Lakeman氏を招いた講演会が行われました。ちょうど日本から浅岡みどりさん(恵泉女学園大)も調査でSanta Cruzにいらっしゃいましたのでお誘いして一緒に参加しました。
Downtown,Santa Cruzで現在毎週水曜日に市営駐車場をクローズして行われているFarmers Marketはこのままの形態で良いのか。もし恒久的な会場となるCommons(広場)をつくるとすると、どのような場所をどのようにつくっていくのかを考えようという機運がFarmers Market関係者や地域住民の間であり、Markを招いたようです。
私も2月にPortlandを訪れて、中心部にあるPioneer Courthouse Squareや各地域の地元住民のプロジェクトを見て回ったりしたので、舞台裏がよくわかる話でした。
そして西村和代は今月に2回めのPortland行きでMarkへのインタビューを行っているので、久しぶり(10日ぶり)の再会だったようです。
(派遣研究時期の塩漬けになっていた録音を、AIの力を借りてまとめてもらっています)
この講演会では、マーク・レイクマン氏が、コミュニティスペースの創出がいかに重要であり、それがどのように困難な政治的闘争を経て実現されてきたかについて語りました。彼は、自身の経験と、ポートランド・オレゴンでの公共空間創出の歴史、そして彼が共同設立したCity Repair Projectや所属する建築会社Communitectureの活動を例に挙げて説明しました。
講演会の主な要点は以下の通りでした。
公共空間の欠如と社会的孤立
米国では、1785年の全国土地条例によって、西への拡大がグリッドシステムと土地の商品化に基づいて計画され、公共の集いの場が意図的に欠如していました。
その結果、米国は先進国の中で公共の集いの場所が最も少なく、これが社会的孤立、公衆衛生の悪化、暴力の増加、家族の分断につながっています。レイクマン氏の父も、都市計画が家族の分断に貢献したと認識していました。
開発業者主導の計画では、コミュニティの集いの場所が生まれない可能性があります。
公共空間創出の闘争と成功例
デイビスのファーマーズマーケットは、かつての駐車場跡地に建設され、ショッピングセンター建設案に勝利し、住民投票で圧倒的な支持を得たにもかかわらず、市議会は3対2の僅差で承認しました。
ポートランドの歴史上初の公共広場(パイオニア・コートハウス・スクエア)も、かつては11階建ての駐車場になると主張する勢力との長い戦いの末に実現しました。この広場は「時間、空間、そして命が売り物ではない場所」として構想されました。
市議会や市長の反対にもかかわらず、市民が駐車場の屋根に勝利したデザインを直接描くなど、直接行動を通じて公共空間の創出を推進しました。
この広場は、住民が寄付をして敷地の「レンガ」を購入することで建設され、地域社会との強い一体感を生み出しました。
現在、ポートランドには700もの意図的なコミュニティが公共空間を再構築しており、市全体にネットワークが広がっています。
公共空間の重要性と機能
公共の集いの場は、人々の交流、表現、コミュニケーション、取引を促進し、コミュニティによってデザインされ、実際に人々の手で建設されることで、強い物語と持続的な利用が生まれます。
これらのスペースは多機能であり、ファーマーズマーケットだけでなく、祭り、ヨガ、ワールドカップ観戦、政治集会、サンドキャッスル作りなど、様々な活動に対応できます。
最も素晴らしいのは、プログラムされた活動だけでなく、偶発的な出会いが常に可能であることです。ある11歳の少女は、公共空間が「街全体が自分の家だと感じさせてくれる」と述べました。
公共空間は、街のインフラ整備(自転車通勤、自転車道、ファーマーズマーケット、グリーンビルディング)の触媒となり、交通需要の最小化と生態学的影響の削減に貢献します。
課題への対処とアクティビズム
アクティビズムは、単に不満を言うだけでなく、「建設的な行動」であるべきです。
市議会の官僚主義的で二枚舌な態度に対しても、より地域に根ざした政治文化を取り戻すことが重要だと提唱されています。
路上生活者を「問題」としてではなく、「資源」として捉え、彼らを尊厳と敬意をもって扱い、空間の維持管理に役割と責任を与えることが、コミュニティを強化し、危機管理の費用を削減します。
子供たちをデザインや実装に参加させることも、コミュニティの誇りを育む上で重要です。
「チョコレートケーキ外交」のように、地域警察を含む多様な人々との関係を築くことで、官僚的な抵抗を乗り越えることができました。
より広いビジョン
真の自由とは、誰もが望む人を、望む場所で愛することができる状態であり、自然と人間が分離されている現代主義の考え方を拒否することです。
都市設計は、気候変動への社会的な対応をモデル化し、交通の必要性を最小限に抑え、人々が身体を使って移動することで健康になるよう促すべきです。
ポートランドでは、ストリートの樹木を果樹やナッツの木にし、住宅地の公共スペースで無料で食料を栽培できるようにするなど、都市の再生活動を市民の手に委ねています。
ホームレス・ヴィレッジ(ディグニティ・ヴィレッジなど)は、政府のシェルターよりもはるかに低コストで、家族を分断せず、犯罪率も低い持続可能な解決策として紹介されました。
この講演会は、公共空間が単なる場所ではなく、コミュニティの生命力を育み、社会問題を解決し、最終的には人々の幸福と自由を実現するための基盤であるという強いメッセージを伝えています。