吉本卓生さん「毎日はっけん、毎日チャレンジ」

101月 - による IsagawaYusuke - 0 - インタビュー記事

吉本卓生

吉本卓生さんプロフィール
1980年12月18日生まれ。広島県廿日市出身。大学時代に保育士資格を取得。
現在は広島県廿日市で「特定非営利活動法人キッズNPO」の理事長を務める。にこにこの森保育園、託児保育にこにこキッズ、ネイチャーフレンド自然学校など保育を中心とした活動をしている。

■ 吉本さんはいつから保育に関わりたいと考えておられたのですか。

中学のころからです。隣の子の面倒を見させられたことがあって、それからかな。

■ では大学で資格をとられてからそのままこの仕事をはじめられたのですか。

いや、保育士になりたかったんだけど保育園の公務員試験に落ちてしまって。中学からの夢だったし、面接で落とされたというのもありものすごいショックでした。夢が崩れたと思いました。仕事探す気もおこらなくて誘われた大学の事務で1年間働きました。広島に帰ってきてからは保育園に就職しました。

■ その後はどのようにされていましたか。

大学の間も広島来て保育園で働いてからも本気でバンドしてたんだよね、自主制作CDとかつくったり大阪のレーベル決まったり、保育よりもバンドの方が楽しくて、でも結婚する時現実見て止めました。でもあの頑張りは無駄じゃなかったと思う。無駄じゃないと思うよ、人生。

■ その後キッズNPOの活動をはじめられたんですか。

はい、結婚してから子どもができてからはじめました。

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■ キッズNPOではどのような活動をされていますか。

主に保育園の運営をしています。自分が幼い頃自然体験をして育ったから子どもたちにもそういった活動をさせたりしています。カヤックしたり木登りさせたりして。あとは地元の企業とかに仕事と生活を両立させる推進事業とか呉の自衛隊の子育て支援とかですね。

■ 保育をする際一番気を付けていることはありますか。

いっぱいあるんだけどこの保育園での一番の目標は、子どもたちに生きる力をつけるということです。僕たちは子どもの補助をするつもりで保育しています。
自然の中っていうのは本当にいろいろなことが学べるんですよ。鳥が飛んでいたりとか、虫がいたりとか、雨が降るとカエルとか毎日が新鮮。保育するのに良い環境なんです。

■ 園児さんたちにとってすごくいい体験だと思います。

人の基礎を作るときに五感を使って体験するのが一番大事だと思っています。子どもたちが「毎日はっけん、毎日チャレンジ」できるように小さな岩とかに登るときも絶対に手伝わないようにしています。自分でできるだけ立ち上がれるよう に。マムシとか森には危険もたくさんだけど、そこは自然体験のプロとしてやってます。

■ この仕事をする際やりがいを感じるときはいつですか。

何か新しいことをはじめるときはやりがいを感じます。保育園だってはじめるのは苦労したけど楽しかったからやってくることができました。起業家だから、自分で仕事を作るじゃないですか。楽しいよ。

■ 起業家ってギャンブルに近いって聞いたことがあるんですけど、どうですか。

ギャンブルだよ。大変な時は大変だからね
例えばこの保育園を始める時もまず園児さん集めるためメディアに出させてもらうようにしました。TVとか新聞に出させてもらうようにした。とりあえずいっぱい使ってもらえるような営業をする。

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あとはチラシを配ったりとかかな。TVに出るのが一番早いかな。
信頼もつくし、メディアにでるのが一番早いね。
ただ、メディアに出るのに、普通の一般の保育園じゃダメだし、他と絶対違うことをしなければならない。
じゃないと、メディアが食いつかないから。そこはいろいろ考えました。最初からこういうのをしていこうと思ってたんで、メディアは食いつくだろうと思っていましたね。

■ そこまで考えてやっているなんてすごいですね。

ゲームみたいな感じだよ。辛いことは辛いけど、とにかくポジティブに前に向かって歩くだけ。

■ それが起業家にとっては大切なことなんですね。にこにこの森保育園にもイクメンはいらっしゃいますか。

今はね、イクメンよりイクボス。社長が部下に対して仕事と生活の両立ができるようにしてあげる。残業をゼロにして効率を上げたりとか。廿日市の市長がイクボス宣言をしたんだよ。とても嬉しかったな。これは廿日市が生活と仕事の両立がしやすい街になるよっていうアピール。

■ 広島市では聞いたことがないです。

できないと思う、規模が大きすぎるけ
廿日市は規模がちょうどいいんだと思うよ。

■ なるほど、広島のこれからに必要なものは何だと思いますか。

そんな大きなこと考えたことはないけれど、とりあえず廿日市がロールモデルになる。あと、僕たちのような団体が増えてくれたら、例えば子どもを支援するような。そのような団体が増えてくれたら良いんじゃないかな。

■ 最後に、今の若者にしてほしいことはありますか。

起業してみたらいいんじゃないかな。成功したら成功したでいいし、大学のうちは失敗してもリスクが少ないしね。良い大学入って就職するっていうのも良いけど好きなことで起業するのも良いと思うよ。
起業に必要なのは革新的なアイデアだよ。経営の知識は後からついてくる、どうせ勉強が必要だから。もし、起業家やめても、それだけやったらどこの会社入ってもやっていけるよ。学生時代が大切よね。今を楽しんだほうがいいよ。

■インタビューありがとうございました。

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ききて:原田洋平
写真 :山崎誠太郎